アメリカ人アーティスト、ジェニー・ホルツァー（Jenny Holzer）の作品集。作者がオーストリアのブレゲンツ美術館（Kunsthaus Bregenz）で発表したアメリカの対中東外交政策をテーマにしたプロジェクトに伴い刊行された。

武器と石油の国際取引、対テロ戦争、9.11、FBIとCIA、議会による情報コミュニティの監視などの問題をテーマにしたテキストを通じて、ロナルド・レーガン（Ronald Reagan）、ジョージ・H・W・ブッシュ（George H. W. Bush）、ウィリアム・ジェファーソン・クリントン（Bill Clinton）、ジョージ・W・ブッシュ（George W. Bush）の各大統領の時代に展開された意志決定と世論の複雑な論理体系が探求されている。

このインスタレーション作品では、書かれた当時には機密扱いだった米国政府の文書からそのまま引用したテキストが多数使われている。1966年に制定された画期的な情報公開法により、今ではすべての文書が公開されているが、中には大幅に編集されているものもあるという。

機密解除された米国政府の文書、ヘンリー・コール（Henry Cole）の詩「To the Forty-third President」、作者自身の著作からの抜粋も掲載。さらにフェルトキルヒの美術館とセントジョンズ教会で行われたインスタレーションや、フォアアールベルクで行われた8つのキセノンライト・プロジェクションもカラー写真で紹介されている。