ロンドンを拠点に活動する韓国人アーティスト、ハンナ・ムーン（Hanna Moon）の作品集。 作者は、ファッションに興味を持つようになり、テキスタイルを学ぶためにソウルに2年間滞在した。その後、22歳の時にファッションコミュニケーションを学ぶためロンドンに1年間留学した折に写真と出会い、写真家のタイロン・ルボン（Tyrone Lebon）のアシスタントを務めた。2014年、「セントラル・セント・マーチンズ（Central Saint Martins）」に在学中、雑誌『A Nice Magazine』を立ち上げ、近年では『AnOther Magazine』、『British Vogue』、『Dazed』、『The Gentlewoman』、『 i-D』、『M』、『Re-Edition』といったファッション・カルチャー誌に寄稿するほか、「アクネ（Acne）」、 「アディダス（Adidas）」、「グッチ（Gucci）」、「シュプリーム（Supreme）」、「ヴァレンティーノ（Valentino）」などのファッションブランドとも協働している。

初の作品集である本書では、作者自身のルーツ、家族、そして友人たちのもとへ、ソウル、そして首都から南に150キロ離れた故郷の大田（テジョン）に帰省した。大衆文化への影響力が高まりつつあるにもかかわらず、西洋ではいまだに謎に包まれた国へ潜入。本書では、全体的に親密なムードが漂っており、キャスティングされたタレントのシネマチックなショットを除けば、私たちが一般的に知っている韓国のクリーンなイメージほど華やかではないのが新鮮である。ここでは、出身の国が魅惑的な背景となり、写真家の友人や家族がありのままの姿で主役を務めている。

モデルのモフィー・ゲイソン・ハーディ（Moffy Gathorne-Hardy）によるテキストも収録。