ソウルを拠点に活動するヴィジュアルアーティスト、スキ・ソギョン・カン（Suki Seokyeong Kang）の作品集。2023年9月から12月にかけてソウルの「リウム美術館（Leeum Museum of Art）」で開催された個展に伴い刊行された。

作者は、絵画、彫刻、インスタレーション作品に加え、ビデオやパフォーマンス作品も手がけることで、それぞれのジャンルの境界を横断し、個人と集団との間に生まれる相互作用を探求する。韓国の絵画、詩、舞踊が紡ぐ豊かな遺産から引き出された芸術言語を発展させることで、作者の作品は伝統が持つ耐久力を考察し、現代美術におけるその重要性を拡げている。

本書は、現代美術の中での韓国の伝統絵画の立ち位置、フェミニズム、西洋における前衛芸術の物語など、さまざまな言説を通して作者の活動を読み解くことを我々に提案する。作者の基礎を成す絵画制作を起点として、新たな作品群を紹介しながらその「言語」の発展を描き出している。