アイルランド人フォトグラファー、イーマー・リンチ（Eimear Lynch）の作品集。作者にとって初刊行物となる本書は、アイルランドのティーンの女の子たちを追ったものである。作者は、ディスコの準備をする女の子たちのわくわくする気持ちを写真に収めようとアイルランド中を旅した。それは、ディスコに行くのが大好きだった10代の自分自身の追体験をするためでもあった。金曜日の放課後、女の子の友人のうちの誰かの家に直行し、数時間かけてヘアメイクをして準備をした。どんな色のアイシャドウで飾ろうが、髪を巻こうが、ストレートにしようが、それは男の子のためだけではなく、アイルランドのティーン雑誌「キス・マガジン（Kiss Magazine）」で学んだであろうメイクアップ・スキルを披露して、はじめて大人の女性のふりをする場所であった。子供からティーンへの移り変わりはあっという間に訪れて、突然、自分の外見と女性になっていく最初の兆候が現れ、そのことで頭がいっぱいになる。その移行には不安やプレッシャーが伴うが、その一方で成長していくことに対する期待に紛れもないスリルも感じている。作者は10代の頃、ようやく美容カルチャーの「儀式」に参加できることに興奮したことに覚えがある。それは、近い将来に迫った難題の重みに汚されることなく、女性であることのポジティブさが感じられるスイートスポットだったのである。

アイルランド人ファッションデザイナーであるシモーネ・ロシャ（Simone Rocha）は本作を支持する人物の一人であり、彼女もまた本作に描かれている生き生きとした経験の多くを通って育った。本作では序文を手がけている。