MOUTH FULL OF GOLDS [SECOND EDITION]
アメリカのジュエラーでありグリルズの祖と呼ばれるエディ・プレイン(Eddie Plein)の作品集。「マウス・フル・オブ・ゴールズ(Mouth Full Of Golds)」ー 金冠、金の前歯、粗金、グリルズ ーさらには、ダイヤモンドや真珠まで、「かの有名な」作者とその彩られた歯(そしてヒップホップの顔となったあの偉大なる笑顔)を写真とともに紐解くヒストリー・ブックである。2021年に自費出版として400部発行され瞬く間に完売した本書を、イギリスの出版社「IDEA」が第二版として再版した。
この物語は、「かの有名な(‘Famous’)」エディ・プレイン、その人生と仕事、自身が先駆者となった装飾としての歯科学の黄金時代、そしてヒップホップの顔ともなったあの不朽の笑顔を描く。本書は、ケビン・ジョーンズ(Kevin Jones)、80年代後半からグリルズを記録してきた映画監督兼作家であるライル・リンドグレン(Lyle Lindgren)そしてその友人たちのアイデアから生まれた。彼らはインタビューを行い、写真を入手し、事実検証を行い、デザインやアートディレクションを手がけ、2021年に刊行を実現した。
アトランタの「フェイマス・エディーズ・ゴールド・ティース(Famous Eddie’s Gold Teeth)」の看板の前で撮られた一枚、当時のヒップホップ界の功労者は皆揃って客であった、NYを拠点に活動するグラフィティアーティスト「シャツキングフェイド(Shirt King Phade)」とドーン(Dawn)が写る一枚、ギャビー・イーラン・ジュエリー(Gabby Elan Jewelry)によるデザインが施されたグリルズ「Exotica」、タイラー・ザ・クリエイター(Tyler, The Creator)の下歯、本書の至る所に現れる「この世の奇才」ナズ(Nas)とケリス(Kelis)が写る一枚。これらのイメージで語る視覚的情報、テキストで綴られる鮮やかな物語など、本書にはその世界のすべてが揃っている。
序文はニューヨーク出身のラッパーであるエイサップ・ファーグ(A$AP Ferg)が手がけており、作者の個人史と、ブラック・クリエイティブ・カルチャーの文脈の中でゴールドとグリルズを位置付けている。あわせて、ミュージックビデオ・ディレクターのヴァシュティ(Va$htie)、音楽プロデューサーでありDJのゴールディー(Goldie)、ラッパーであり音楽プロデューサーのエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、ラッパーのジャスト・アイス(Just-Ice)、フォトグラファーのジャネット・ベックマン(Janette Beckman)、そしてこの第2版では新たにファッションデザイナーのマーク・ジェイコブス (Marc Jacobs)が加わり、それぞれのストーリーを語っている。