韓国人アーティスト、イナ・ジャン（Ina Jang）の初作品集。本作の核には言語がある。それぞれの作品が各々で作家独自の語彙 – 叙事的な形や色を通じた言葉遊びや韻、誤訳、誇張、嘘 – を作り出し、それを深く探る。タイトル『RADIATOR THEATRE』は暖房器具のラジエーターに由来。作者のアパートのラジエーターの上に作品がセッティングされ、窓から差し込む太陽の位置や繊細で変化しやすい自然条件といった外的要因の変化に呼応して、作家の身体やカメラを動かし、その抽象的な形状の被写体を捉えた。その過程が魅せる身体性や影響は、作品が独自の言語を発していることを見せている。それぞれが生み出す影やランダムなカットライン、色付けを介してそれぞれの作品が繋がることで、想像力と人を惹きつける物語を編み出している。