オランダ人建築フォトグラファー、イワン・バーン（Iwan Baan）の作品集。2023年10月から2024年3月までドイツの「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム・ギャラリー（Vitra Design Museum Gallery）」で開催された展覧会に伴い刊行された。

今日の建築および都市デザイン写真を代表するフォトグラファーの一人である作者は、世界の巨大都市の成長を記録し、建築家ユニット「ヘルツォーク＆ド・ムーロン（Herzog & de Meuron / HdM）」、建築家のレム・コールハース（Rem Koolhaas）、ザハ・ハディッド（Zaha Hadid）をはじめとする高名な現代建築家の作品を写し出している。作者の生き生きとしたリアリズムは、人々と建築環境との関係に焦点を当てている。

雑誌や書籍で見かける数々の代表作に加え、中国南部の円形の鼓楼からエチオピアの岩を切り出して作られた教会まで、世界各地のヴァナキュラーかつインフォーマルな建築の写真も会期中は展覧された。その視野の広さによって、作品は人類が生み出した建築を大パノラマで描き、建築と都市デザインの実存的な重要性を印象的に示唆している。