NOW THEN: A RETROSPECTIVE by Ed Ruscha
アメリカ人アーティスト、エド・ルシェー(Ed Ruscha)の作品集。絵画から、紙を用いた作品、写真、アーティスト・ブックまで、65年にわたる作者のキャリアをさまざまなメディアにまたがりまとめた概観的一冊。第一線で活動する美術研究者陣によるテキストを収録。
本書は、作者の長きにわたる非凡なキャリアと様々なジャンルにまたがるアプローチから、絵画やドローイング、版画、映像作品、写真、アーティスト・ブック、インスタレーションなど、1958年から現在までに制作された250点以上もの作品を紹介する。作者の作品を史上最も広く網羅した「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」での初個展に伴い刊行された本書は、ふんだんに図版を盛り込み、作者の最も称賛された作品群と共に、その活動のあまり知られていない側面にも光を当てている。
多様な分野を活動の場とする寄稿者陣によるエッセイにより作者の作品に新鮮な視点が与えられ、以前からの作者の代名詞であるポップ・アートやコンセプチュアル・アートなどのカテゴリーを超えて、戦後アメリカのアート界における最も影響力のある人物の一人であるこの人物に新たな見地をもたらす。そのすべてが、言語の本質の探求、火薬やチョコレートやかみタバコなどの自由な媒体を用いた実験、革新的な自費出版の本など、作者による唯一無二の功績を強調している。図版入りの年表、展覧会の記録も収録。作者の60年以上にわたる多作のキャリアを定義づけた、絶え間ない探求と改革をとらえた一冊である。
キュレーターのクリストフ・シェリックス(Christophe Cherix)が、同じくキュレーターのアナ・トロク(Ana Torok)、キコ・エビ(Kiko Aebi)と共に編集とテキストを手がける。美術史家のベンジャミン・ブクロー(Benjamin H.D. Buchloh)、キュレーターのドナ・デ・サルボ(Donna De Salvo)とキュレーターであり美術史、美術理論、美術批評を専門に教鞭を執るリンダ・ノーデン(Linda Norden)、「ロサンゼルスカウンティー美術館(Los Angeles County Museum of Art / LACMA)」のディレクターであるマイケル・ゴーヴァン(Michael Govan)、グラフィックデザイナーでありキュレーター、評論家、教育者であるエレン・ラプトン(Ellen Lupton)とヴィジュアルアーティストのジェニファー・トビアス(Jennifer Tobias)、「ゲティ学術研究所」のアンドリュー・ペルフーク(Andrew Perchuk)、キュレーターであり評論家のジェフリー・ワイス(Jeffrey Weiss)によるテキストを収録。