WHAT I SAW by Joseph E. Yoakum
ネイティブアメリカンアーティスト、ジョセフ・エルマー・ヨアクム(Joseph E. Yoakum)の作品集。71歳からそのキャリアをスタートさせた作者は、幼い頃に数々のサーカス団に所属しながら世界中を旅し、第一次世界大戦中は非戦闘員として連隊に所属、その後はシカゴで定住した。その際に「夢」に触発され、70代にして画家としての活動を開始、10年間で約2,000点ものドローイングを描き上げた。
世界各地を巡った旅と第一次世界大戦での体験から生まれたその風景感は、測量士のように収集した地形データに基づいており、一般的によく見られるような紙にボールペン、色鉛筆、パステル、水彩絵具などを用いて表現された。
作者の作品がいかにしてシカゴやニューヨークの主要美術館に作品が収蔵されるようになったのか、シカゴで育まれた写象主義者たちの友情が作者の美術史における地位を確かなものにしたのか、人種的に分断された都市に対応しようとした作者を救った宗教観があったのか。アフリカン系アメリカ人やネイティブ・アメリカンとしてのアイデンティティ、作者自身との複雑な関係を検証しながら数百点にも及ぶ、夢の中の世界を描いたような作品群を紹介する。
2021年から2022年にかけて「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」では初の回顧展が開催され、ファッションブランドの〈LEMAIRE〉は作者の風景画からインスピレーションを得て2022年春夏シーズンのコレクションを制作。その発表に伴い、パリ、東京、ソウルを巡回する展覧会「INSCAPE, In the depths of Joseph Elmer Yoakum's landscapes」が行われた。
by Joseph E. Yoakum
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