AP164: ÁBALOS & HERREROS by Iñaki Ábalos, Juan Herreros
スペイン人建築家、イニャーキ・アバロス(Iñaki Ábalos)とフアン・ヘレロス(Juan Herreros)の作品集。
編集はモントリオールの建築ミュージアム、「CCA(Canadian Centre for Architecture、カナダ建築センターとも)」のディレクターであるイタリア人建築家、ジョヴァンナ・ボラシ(Giovanna Borasi)が手がけた。
イニャーキ・アバロス(Iñaki Ábalos)とフアン・ヘレロス(Juan Herreros)は1984年にマドリードで設計建築事務所を設立し、2006年の解散まで共同活動を続けた。二人は主にスペインにおいてプロジェクトを実現した。イニャーキ・アバロスはマドリードとアメリカ・マサチューセッツ州のケンブリッジを拠点とする「アバロス+セントキエヴィッチ(Ábalos+Sentkiewicz)」で、フアン・ヘレロスはマドリードの「エストゥディオ・ヘレロス(Estudio Herreros)」で、いずれも現在も国際的に活躍している。2012年、「アバロス&ヘレロス(Ábalos & Herreros)」のアーカイブとしてCCAに寄付された。これらは、1985年から2008年にかけて制作されたスケッチやドローイング、コラージュ、関連テキスト、スライド、模型など、約250点に及ぶプロジェクトで構成されている。
本書は、CCAにある「アバロス&ヘレロス」のアーカイブと3つの現代的な出会いを紹介する。ブリュッセルの建築事務所「オフィス・ケルステン・ゲールス・ダヴィッド・ファン・セーヴェレン(OFFICE Kersten Geers David Van Severen)」、建築家フアン・ホゼ・カステロン(Juan José Castellón)、ニューヨークの建築設計事務所「SO – IL」の3組は、アーカイブの研究を行い、具体的に資料を解読している。本書は、これらの研究プロジェクトを再定義し、アーカイブ資料で現状を示し、それを再解釈したものである。エッセイでは、研究の背景をより詳しく提供するとともに、イニャーキ・アバロスやフアン・ヘレロス自身の声も紹介されている。豊富な図版により、アバロス&ヘレロスの作品だけでなく、新世代の建築家の関心についても明らかにしている。