アメリカ人画家、ポール・モーゲンセン（Paul Mogensen）の作品集。作者は1967年3月に初の個展をニューヨークの「バイカート・ギャラリー（Bykert Gallery）」で開催しており、当時、ミニマリストの草分け的な存在であった画家として、今以上に黄金比を含む古来の数学的なルール等に沿って絵画を描いていた。1968年初期には、インド・マドラス（現チェンナイ）でリベット接合（鋲打ち）されたイギリス客船に乗船し、現在のマレーシア西岸に位置するマラヤ連邦・ペナン島まで6日間の旅をした。その際、作者は持ち歩いていた子供用のノートに、旅路で見たもので着想を得たアイディアを描き留め、自身の絵に影響を与え続けている算術を追い求めた。本書はその時のノートを複製したものであり、作者が外界に対していかに自身の数学的なイメージを生み出していたかが垣間見える密な一冊である本書は、ミニマリスト・アーティストの中でも主要な人物である作者を紹介する唯一の刊行物である。