スペインの出版社「APARTAMENTO」と、名門ホテルやリゾート、豪華列車、クルーズ、レストランなどを展開する「ベルモンド」による共同刊行シリーズの第一弾。世界各地で織りなす食のコミュニティに向けた特別な旅へと誘う。

海と自然、温暖な気候に恵まれ、海の幸をはじめとする食、ワインを求めて多くの観光客が世界中から訪れるイタリア北西部・地中海沿いのリグーリア。海岸の崖にはハーブが生い茂り、港湾には魚が溢れ、どの村にも古より続くオリーブ畑やぶどう畑、果樹園が並ぶ。

本書では、リグーリア・ポルトフィーノに建つ2つの「ベルモンド」のホテルにフィーチャー。港湾を見下ろす丘に位置する「スプレンディード（Splendido）」と、ピアツェッタ広場に建つ別館「スプレンディード マーレ（Splendido Mare）」の厨房からインスパイアされた24の定番料理を紹介する。

あわせて、起伏に富んだ海岸線を否応なしに魅力的なものとする食材、人物、歴史を掘り下げるべく、フォトグラファーのローラ・ジェーン・コールソン（Laura Jane Coulson）による鮮やかな写真、シェフでありフード・ライターのアンディ・バラガニ（Andy Baraghani）、シェフのコラード・コルティ（Corrado Corti）、カルチャー・ライターであり編集者、フォトグラファーのギルダ・ブルーノ（Gilda Bruno）、食の歴史家であり作家のルカ・チェーザリ（Luca Cesari）によるエッセイが本書を彩る。また、シェフのルース・ロジャース（Ruth Rogers）による序文では、リグーリアの海辺の小道を何十年にもわたり歩いてきた心象を語り、作家であるファニー・シンガー（Fanny Singer）とシェフであるマックス・ロシャ（Max Rocha）による2つのゲストレシピは、リグーリア料理に憧れる人々がいかにして自らのキッチンにそのメニューを取り入れるかを紹介する。

「本当のところ、この海ほどポルトフィーノを知るものはいない。イタリアの理想的なライフスタイル、何気ないエレガンス、太陽が降り注ぎ心を落ち着かせるレジャー。そんな最も『ラ・ドルチェ・ヴィータ（甘い生活）』」を象徴する姿へとこの村が変貌を遂げた様を目の当たりにしてきた証人は、潮の満ち引きと空腹に鳴らす腹の音のみだろう。」