CENTRE D’ART CONTEMPORAIN GENÈVE – 1974-2017

スイスの現代美術館「ジュネーブ現代美術センター(Centre d'Art Contemporain Genève)」の歴史を辿る一冊。本書は、1974年の創設から今日に至るまでの「ジュネーブ現代美術センター」の歴史のハイライトを追体験するために行われた歴史学的研究の成果である。2部構成、約500ページに及ぶ豊富な図版を通じて、このフランス語圏スイス初の美術館が歩んできたユニークな歴史とそれを彩る数々の優美な瞬間を追う。

第一部は、同センターの主要な時代に焦点を当て、ビデオアートや実験映像の研究者であるフランソワ・ブービエ(François Bovier)と、学者、研究者、キュレーターであるアデナ・メイ(Adeena Mey)による詳細なエッセイを収録。

より個人的な視点から同センターの歴史を紹介した第二部は、現館長のアンドレア・ベリーニ(Andrea Bellini)が前任の館長たちやヴィジュアルアーティストのシルヴィ・ドゥフラウイ(Silvie Defraoui)、パフォーマンスアーティストであり彫刻家、画家、評論家でキュレーターのジョン・アムレーダー(John Armleder)、ヴィジュアルアーティストのオリヴィエ・モセ(Olivier Mosset)など、同センターと強い絆で結ばれてきた重要な芸術家たちに行った、一連の非常に興味深いインタビューで構成されている。

巻末に収録されている展覧会や文化的なイベントを網羅した年表からは、同センターが創設以来展開してきたプロジェクトの多様性と質の高さを存分に汲み取ることができる。同センターの歴史が1970年代以降のアートの偉大な歴史とどのように呼応しているかが示されていることも本書の魅力の1つであろう。

REGULAR PRICE ¥11,000  (tax incl.)

hardcover
488 pages
225 x 290 mm
color, black and white
2017

published by LES PRESSES DU RÉEL