DIALECT by Felipe Romero Beltrán

スペインを拠点に活動するコロンビア人フォトグラファー、フェリペ・ロメロ・ベルトラン(Felipe Romero Beltrán)の作品集。スペイン南部の都市セビリアで、9人の若いモロッコ人移民が、3年もの間にわたりカフカ的不条理さに満ちた拘束に苛まされながら受けた国家暴力をテーマとした一冊である。

未成年の移民が不法にスペインへ入国し、そこで成人であることが確認できない場合、その身柄は国家の手に委ねられ、法律上の身分を得るまでに最大3年もの長い間支配下に置かれることとなる。

真っ当な生き方を中断させられ制限された状況で、作者は比喩表現として「身体」に関わっていく。写真、パフォーマンス、コラボレーションの中で生じる言語を用いて明確かつ丁寧に描くことで、失われた時間の重みが若者たちの肩にのしかかり、彼らの記憶・旅路・待機や移住における屈辱的な日常と対話をするよう読者を誘う。

映像作品やダンスの振り付けを用いながら、お役所的な抑圧の履行に対して批判の光を当て、新たなドキュメンタリー領域を切り拓く一作に仕上げられている。

by Felipe Romero Beltrán

REGULAR PRICE ¥8,800  (tax incl.)

softcover
176 pages
210 x 300 mm
color, black and white
2023

published by LOOSE JOINTS