TAMASHA by Abhishek Khedekar

インド人アーティスト、アビシェーク・ラジャラム・ケーデカール(Abhishek Rajaram Khedekar)の作品集。第一回「Publishing Performance residency and book award」を受賞した作者は、彫刻、コラージュ、リアプロプリエーションを用いて、インドの農村の労働者たちの光景に感じる共感覚を捉えた。

実験的なドキュメンタリー/フィクションである本作の制作にあたり、1800年代にさかのぼる歴史を持つ、ダンス、音楽、ビジュアルアートを融合した民族舞踊「タマシャ(TAMASHA)」を演じる100人のダリット(不可触民)の「家族たち」からなる遊牧民の一座を追いかけた。独立後のインドで農村に伝わってきた舞踊や歌が廃れると同時に、タマシャもまた社会的な烙印を押され、二極化され、零落していった。マハーラーシュトラ州のあちこちを旅して制作された本作は、アーカイブ資料、コラージュ、ドキュメンタリー写真、パフォーマンス、サウンド、動画を用いた多種多様な芸術的手法を駆使して、インドの社会文化的構造の複雑さを深く掘り下げている。

実験的なビジュアルナラティブからなる作者のブリコラージュは、限られたもので何とかやっていく作者の舞台が成す飾らない姿勢を、歌、コミュニティ、表現のユニークな美学へと昇華させ、現代インドにおけるタマシャの伝統の位置づけを示している。

作者は、写真とパフォーマンスの接点に焦点を当てたアーティストレジデンシーおよび出版物に贈られる「パブリッシングパフォーマンス2022」の受賞者である。本作は、イタリアのスポレートにある「マーラー&ルウィットスタジオ(Mahler & LeWitt Studios)」でのアーティスト・イン・レジデンスにて、版元であるLoose Jointsが編集、デザイン、出版を手掛け、作品集として制作された。

by Abhishek Khedekar

REGULAR PRICE ¥7,040  (tax incl.)

softcover
88 pages
220 x 260 mm    
color
2023

published by LOOSE JOINTS