I CARRY HER PHOTO WITH ME by Lindokuhle Sobekwa
国際的写真家集団「マグナム・フォト」正会員を務める南アフリカのヨハネスブルグを拠点とするフォトグラファー、リンドクフレ・ソベクワ(Lindokuhle Sobekwa)の作品集。作者がこのプロジェクトを始めたのは、姉のズィヤンダ(Ziyanda)の顔が切り取られた家族写真を見つけたことがきっかけだった。姉は秘密主義で、反抗的で、手に負えないほど粗暴な存在だったと作者は述べ、彼女に追いかけられ、車に跳ねられた暗い日のことを思い浮かべる。ズィヤンダはその数時間後に姿を眩まし、帰ってきたのは10年後。それも、病を患っていた。この時、作者はすでに写真家となっており、家族が姉の写真を持っていないことに気がついた。「ある日、窓から美しい光が差し込み、彼女の顔を照らすのを見た。カメラを構え、その瞬間を捉えようとしたところ、彼女はひどく不快な顔を自分にむけ、言った。『やめて!もし撮ったら、あんたを殺してやる!』だからカメラを下ろした。私は今でもあの写真を撮っておけばよかったのにと思う」。ズィヤンダは程なくして息を引き取った。
手書きのメモを添えたスクラップブックのような雰囲気を演出することで、本書は作者が姉の思い出と共に、南アフリカ史で問題視される部分でもある似たような失踪を、より幅広い背景と関わらせて扱っている。分断、貧困、そして南アフリカ社会の全階層に亘るアパルトヘイトと植民地主義の長きにわたる影響を追求する作者の多岐に渡る作品を補完している。スリランカ出身でありながらザンビア共和国で育った作家であり学者のニーリカ・ジャヤワルダーネ(Neelika Jayawardane)が著した長編エッセイを収録する。
by Lindokuhle Sobekwa
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¥7,920
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