MINNETTE DE SILVA: INTERSECTIONS by Anooradha Iyer Siddiqi
インド出身の建築史家、アヌラーダ・アイアー・シディキ(Anooradha Iyer Siddiqi)の作品集。建築史、近代史、移民史を専門とし、アフリカや南アジアの歴史性やアーカイブ、遺産政治、フェミニズムや植民地的実践に関する問題を中心に調査している。
スリランカ人建築家であるミネット・デ・シルヴァ(Minnette De Silva)は、1947年にスリランカ(当時セイロン)の古都キャンディに「スタジオ・オブ・モダン・アーキテクチャー(Studio of Modern Architecture)」を設立した時、世界で初めて単独の代表としてプロの建築事務所を設立した女性の一人であった。今日、個人住宅や公共施設の設計や施工、集落での居住計画、建築や手工芸の実験、研究、キュレーション、執筆活動などで彼女は知られている。デ・シルヴァの実践は、建築を生きた経験として、また不均質な過去の現代的表現として扱う。
本書は、デ・シルヴァの実践を豊富な図版で紹介し、彼女の作品を形成した横断型の知的関心を通して、さまざまなプロジェクトを探求している。アーカイブ資料、ドローイング、写真、そしてデ・シルヴァの回顧録『The Life and Work of an Asian Woman Architect』からの抜粋が、スリランカを拠点とし、インド、イギリス、ギリシャ、香港、そしてその他の地域との実質的な関わりによってもたらされたキャリアにおける多様な作品群を描写する。デ・シルヴァは、モダニズム建築の技法と物質的遺産に対する実践を駆使し、独特の批評的な美学のプログラムと価値体系を築き上げた。建築史家である作者がメスミニ・カリヤカラワナ(Methmini Kariyakarawana)らとの共同研究によって生まれた本書は、20世紀で最も重要な建築家、文化人の一人であるデ・シルヴァの思想と作品を紹介する入門書である。