NSENENE by Michele Sibiloni

イタリア人フォトグラファー、ミケーレ・シビローニ(Michele Sibiloni)の作品集。タイトル「 セネネNsenene)」はガンダ語で「キリギリス」を意味するが一般的には「バッタ」と呼ばれ、ウガンダの重要な収入源であり珍味でもある。本書は年に2回、雨季の直後に大群で移動するキリギリスを明け方まで捕獲するウガンダの人々を記録。夜霧と焚き火の煙の中で、緑色の昆虫が一面に広がる様子は、国中が別世界のような雰囲気に包まれ、巧妙に作られた道具や罠が不気味な効果をもたらしている様子が収められた。国連食糧農業機関(FAO)は、食用昆虫をより多くの人が食生活に取り入れれば、世界の飢餓を減らし、食糧安全保障を向上させることができると指摘しているが、近年森林伐採によりその生息数が減少しているほか、気候変動により雨が降らなくなりつつあるアフリカで収穫タイミングが予測しづらくなっているという現状があることも示唆されている。過去と未来、伝統と近代化の狭間にあるキリギリス収穫を捉え、ウガンダの状況だけでなく地球全体の将来的な展望についても訴えかけている。

by Michele Sibiloni

REGULAR PRICE ¥8,580  (tax incl.)

hardcover
144 pages
230 x 310 mm
color, black and white
2021

published by EDITION PATRICK FREY