オランダ人アーティスト、アヌーク・クルイトフ（Anouk Kruithof）の作品集。2023年に非営利施設「ICA Milano」で開催された展覧会に伴い刊行された。本書は作者が2002年から2023年にわたり制作してきた作品群が初めてまとめられた一冊である。写真と彫刻を探究し再構築してきた作者は、人々とその（自然やテクノロジーの）環境の間に生じる相互作用、コラボレーション、関係性を自身の実践において中核に据え、開放的かつ不穏な雰囲気を持つ作品を生み出してきた。本作はテキストとビジュアルワークで構成され、作品とそこにまつわる実践が持つ流動性に焦点を当てることを目的としている。反時系列的、反主題的な手法で作品を組み合わせることで、複雑さと多面性、戯れと遊び心を交えながら、同時に批判的な再解釈の余地をも残し、新たに進化した物語を提示する。