イタリア人ファッションデザイナー、アーティストであるチンツィア・ルッジェーリ（Cinzia Ruggeri）の作品集。2022年4月から8月まで「ローマ現代アート美術館（Museo d'Arte Contemporanea Roma / MACRO）」で開催された展覧会に伴い刊行された。

皮肉と白昼夢が入り混じった豊かな世界観のもと、独創的かつ規範にとらわれない視点を持ち、物質の機能的・意味論的な性質や身体の建築的・社会的側面を探るべく、作者は自身の芸術的研究を道具として制作に向かった。本書は、絶対的な自由のもと分野を超えて活動したこの型破りな人物にまつわる初めてのモノグラフである。その人生と多彩な実践は、アパレルからアクセサリー、家具から照明に至るまで、日常生活の要素が持つ形式的・機能的な状態を再定義したいという情熱に突き動かされていた。作者は、想像力豊かで、挑発的で、優雅で、決して予想ができないような世界を創造した。

「ローマ現代アート美術館（MACRO / Museum of Contemporary Art of Rome）」と「MOUSSE PUBLISHING」の共同出版である本書は、文書や写真、証言、エッセイを盛り込んだ幅広い年表として構成されており、あまりに長すぎる間、影に隠れていた作者のストーリーと今まさに見据えるべき遺産を明らかにする。

本プロジェクトは、イタリア文化省現代創造総局による、イタリアの現代美術を世界に推進するプログラム「イタリアン・カウンシル（Italian Council）」が支援を行う。イタリア語、英語併記。