COME STAI? by Gaetano Pesce
イタリア人アーティスト、ガエタノ・ペッシェ(Gaetano Pesce)の作品集。イタリアのファッションブランド「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」の依頼を受け、同ブランドのクリエイティブ・ディレクターであるマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)と共に作り上げたチェアの記録をまとめた、コレクター垂涎の一冊。タイトルはイタリア語であり、英語でいう「How are you?」を意味する。
クリエイティブ・ディレクターに就任したブレイジーが、ボッテガ・ヴェネタ2023春夏ミラノコレクションの空間設計のために先駆的なデザイナーである作者を招来したことから、この貴重なデザインコラボレーションは生まれた。本プロジェクトの中心となったのは「Come Stai?」というレジン製の椅子である。2023年サマーコレクションのショーで400脚もの数が空間に並べられる形で発表され、「デザイン・マイアミ」でも展示されたこの椅子は、伝統的なトワルをベースにしたコットン地を着色したレジンに浸し、手描きのドローイングを加え、1点1点色や形が異なる仕上がりとなっている。これは作者が生涯をかけて追求してきた個性と多様性へのトリビュートであり、これまでにない形で表現されている。
本書では、サーペンタイン・ギャラリーのディレクターであるハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)による作者の本質を突いたインタビューと共に、コラボレーションにおけるアイデア出し、アプローチ、プロセスを探り、作者とブレイジーによる創作とその価値が見せるいくつもの関連性を発掘する。
「デザイン・マイアミ」のキュレートリアル・ディレクターを務めるキュレーター、コンサルタント、作家のマリア・クリスティーナ・ディデロ(Maria Cristina Didero)とブレイジーによる寄稿は、本プロジェクトの原点と作者の作品群における立ち位置を考証し、フォトグラファーのスティーブン・ショア(Stephen Shore)とサンダー・ミュイラート(Sander Muylaert)が記録した鮮やかな写真は「Come Stai?」の開発と製作、展覧風景を描く。
装丁には、作品のデザインを元に、イスの形を応用した変則的な本の形状を用い、椅子に使用した素材と同様にレジンとキャンバス生地を表紙に採用している。「Come Stai?」の椅子と同じく、同一の表紙を持った本は二冊と存在しない。
表紙の仕様はそれぞれ異なるためお選びいただけません。ご希望をお伺いすることもできかねますので、ランダムにセレクトされたものをお届けいたします。掲載されている画像は一例となり、全く同じ絵柄のものはご用意がございません。