ウィーンを拠点に活動するドイツ人アーティスト、ベンジャミン・ヒュッテ（Benjamin Hirte）の作品集。本書は、近年の研究とそれに伴う彫刻作品に焦点を当てた、作者にとって初のモノグラフである。住宅や公共空間といったトピックを深く掘り下げており、このリサーチを行った時期、ウィーンとニューヨークはそれぞれ作者にとって、居住地として非常に興味深く重要な場所であった。英独併記。

「インフラストラクチャーは、モノやサービスの供給とあわせて、コミュニケーションや流通といった象徴的な活動などを含めた、社会の機能的プロセスを確保するものである。生きていく上で我々が依存しているいわゆる『重大な』インフラに対する注目度が高まっているということは、『我々が存在する今を特徴づけ』ている『目に見える方法』と『目に見えない方法』に警鐘を鳴らしていることを意味する。[...] ベンジャミン・ヒュッテの作品において、インフラに伴う機能面と実用面は、まるで元来制作に関わっている物質であるかのように前面に現れている。一方では物質や材料として、もう一方では方法や道具として。」－ カタリーナ・ハウスレーデン（Katharina Hausladen / 芸術・文化科学者）