YOU MAY ATTEND A PARTY WHERE STRANGE CUSTOMS PREVAIL by Yuki Kimura
日本人作家、木村友紀の作品集。2006年にタカ・イシイギャラリーで開催された展覧会「YOU MAY ATTEND A PARTY WHERE STRANGE CUSTOMS PREVAIL」に伴い刊行された。写真研究者の清水穣によるエッセイを収録。(英語、日本語)
以下プレスリリースより抜粋
1971年生まれ、京都を拠点に活動する木村友紀は、写真や映像、立体を使ったインスタレーションなどで国際的な活動を展開し、「第6回イスタンブール・ビエンナーレ」(1999年)を始め、「Slow Tech」(Museum of Contemporary Art, Taipei 2006年)、「Rapt!」(Monash University Museum of Art, Melbourne 2006年)、「IMAGINARY CHUYA/映像としての中也のことば」(山口情報芸術センター 2006年)など、新進のメディア・アーティストをとり上げた多数の展覧会に参加してきました。
タカ・イシイギャラリーでは4回目の個展となる本展は、新作の写真と立体作品によるインスタレーションを展示致します。
YOU MAY ATTEND A PARTY WHERE STRANGE CUSTOMS PREVAIL これは5年ほど前ロスにいたときに中華料理店のフォーチューンクッキーに入っていた言葉だ。「あなたは奇妙な習慣が蔓延するパーティーに出席するでしょう」占いを信じているわけでもないのだが、このフレーズだけはちょっと変なので気になって捨てられずにずっと持ち続けていた。深読みすると反米的なポリティカルな意味合いも読み取れる。(PREVAILは大統領演説でよく使われる言葉なので)旅で撮った風景の写真、道端で拾った用途のわからない白い板、フリーマーケットで買った昔の写真。言葉と同じく、私は出会ったもの達を長い間手元においてただ見て遊ぶ。そうしているうちにどんどん飛躍して広がっていく世界、それらはすこしずつ繋がっていきあるとき急に啓示のように読み解ける。そんな妄想狂のふりをして写真やオブジェを作った。得体のしれない物事、消費されたあとの抜け殻に等しいもの達。それらをつなぎ合わせて出来た新しい世界。インスタレーションそのものがパーティーなのか、あるいは啓示(インビテーション)なのか、得体の知れないことが知れる前の状態、あるいは映画の宣伝のようなもの、その出口と入り口が今回の作品である。
-木村友紀
現実から切り離されたイメージだけの存在、消費されたオブジェから生まれてくる無数のイメージから、自然に不思議なストーリーが現れてくる。連想ゲームのように惹きつける要素を抽出していくと、日常から離れたところに行ける、架空の時間と場所への抜け道を作ってくれる、木村友紀の作品は、その抜け道を引き寄せる「場所」なのである。