SPRING FOR A GROUND / PARTICLE OF INCH / HALTED PAVES / QUARTERS by Magali Reus

ロンドンを拠点に活動するオランダ人ビジュアルアーティスト、マガリ・レウス(Magali Reus)の作品集。日常的なアイテムに焦点を当てた彫刻作品のシリーズを記録した一冊。

2015年5月から7月までニューヨークの「スカルプチャーセンター (SculptureCenter) 」で開かれた「Spring for a Ground」展、同年7月から10月まで「ヘップワース・ウェイクフィールド(Hepworth Wakefield)」で開かれた「Particle of Inch」展、2015年10月から翌2016年1月までドイツ・ミュンスターの「Westfälischer Kunstverein」で開かれた「Halted Paves」展、2016年3月から6月までトリノの「Fondazione Sandretto Re Rebaudengo」で開かれた「Quarters」展など一連の巡回点に伴い刊行された。本書は、4つの施設より共同での依頼を受け新作を披露する展覧会シリーズの集大成となる一冊である。

本書は、作者の作品の進化における重要な「一章」となったこの共同企画の成果である。キュレーターであり美術史家のアンドリュー・ボナチーナ(Andrew Bonacina)が自身のエッセイで述べたように、「マガリ・レウスは我々が常日頃頼ってはいるがほとんど認知されていない『脇役』たち、つまり、世界中で我々の生活と共にある日常の品々といかに向き合い、理解するか、絶え間ない考察を要するであろう実践を発展させてきた。底のないマグカップやプラスチックで封印された本のごとく役立たずなものへとレウスが作り替えることでアイテムはその機能性から解放され、彫刻として与えられた新たな役割によって、姿勢やジェスチャーを通じたオルタナティブな方法で、自身の『客体性(オブジェクトフッド)』を表現させられるのだ。アイテムは、鑑賞者自身の身体的かつ感情的な関係性で満たされることを待つ器となる。画一的であることと個人的であることの狭間で機能するレウスの彫刻作品は、物体が自分自身の居場所を見つけ、自分自身を作り上げるための空間へと変貌するのである」。

by Magali Reus

REGULAR PRICE ¥6,050  (tax incl.)

softcover
80 pages
230 x 160 mm
color, black and white
2016

published by MOUSSE PUBLISHING