デンマーク人ヴィジュアルアーティスト、トリーネ・ゾンダーガード（Trine Søndergaard）の作品集。

静寂と内省を探求する本作は、作者が今までに手がけた3シリーズ「Strude」「Guldnakke」「Interior」をまとめた1冊。異なる時代と素材が、作者の写真の中で出会う。作者は、歴史的なドレスやヘッドカバーを纏う現代の女性、現代的な服装に18世紀の金色の刺繍を施したボンネットを被る少女、空き家となったデンマークのマナーハウスを想起させるようなインテリアのイメージを組み合わせ、過去でも現在でもなく、事実でも虚構でもない宇宙を創り出す。

第二版である本書は、ドイツの「エディトリアルデザイン財団（Stiftung Buchkunst）」の「ドイツの最も美しい本 (Die schönsten deutschen Bücher) 」を受賞した初版に収録されている作品に加え、新たに3点のイメージを収録。カバーも新たに、レイアウトもあわせて変更されている。授賞の際に、「紙、印刷の質、完璧な製本はイメージが持つ瞑想のようなムードを伝える。それは鑑賞者を捉え、そしてそっとしておいてくれる。濃縮された時間。時代の超越。魔法のような本。」と評された。

オランダ人文化理論家であり、作者の作品を幅広く取り上げてきたミーク・バル（Mieke Bal）による広範なエッセイが初版に続き収録されている。