ロンドンを拠点に活動する現代アーティスト、ライアン・ガンダー（Ryan Gander）の作品集。2024年6月から7月までパリの「ミノー・ギャラリー（Mennour Gallery）」で開催された展覧会「Three Young American Artists?」に伴い刊行された。

世界各地のアーティストたちがおよそ5歳であった頃のポートレイト160点を収録する。本書の狙いは、作者が深く関心を抱く「時間の理解」、「それぞれ異なって持つ歴史的なポテンシャル」、擬似的な可能性として「もしもそうであったなら」ということに焦点が当てることである。またそれだけでなく、子供時代特有の純粋さを鑑み、それぞれが自分自身でアーティストとなる未来を自覚する前の姿を観察することでもある。

写真は撮影された日付と場所とともに年代順に並べられており、あらゆる国や大陸を超えアマチュア写真の歴史も我々に見せてくれる。20世紀初頭に始まり、21世紀のはじめに撮影された最近の世代のアーティストたちまで、写真の技術やカメラに対する考え方の進歩も考察することができる。

本書は、遺伝性疾患における最先端の研究、ケア、イノベーションに関するヨーロッパ初の機関である「インスティチュート・イマジン（Institut Imagine）」（パリ）の創立10周年を記念して刊行されており、その収益は全て寄付されて遺伝性疾患の治療に役立てられる。

掲載アーティスト：
アレクサンダー・コールダー（Alexander Calder）、アニカ・イー（Anicka Yi）、アーサー・ジャファ（Arthur Jafa）、バーバラ・ヘップワース（Barbara Hepworth）、ベン・エリオット（Ben Elliot）、シール・フロイヤー（Ceal Floyer）、シンディー・シャーマン（Cindy Sherman）、コーネリア・パーカー（Cornelia Parker）、ガブリエル・クリ（Gabriel Kuri）、ゲイリー・ヒューム（Gary Hume）、ホリー・ヘンドリー（Holly Hendry）、カウズ（KAWS）、ローレンス・ウェイナー（Lawrence Weiner）、マルセル・ブロータス（Marcel Broodthaers）、マリーナ・アブラモヴィッチ（Marina Abramović）、オラファー・エリアソン（Olafur Eliasson）、プレム・サヒブ （Prem Sahib）、ラグナル・キャルタンソン（Ragnar Kjartansson）、リチャード・ディーコン（Richard Deacon）、サラ・モリス（Sarah Morris）、スチュアート・ミドルトン（Stuart Middleton）、スーザン・ヒラー（Susan Hiller）、ユリ・アラン（Uri Aran）、ヴォルフガング・ティルマンス（Wolfgang Tillmans）