CAN YOUR MONKEY DO THE DOG by Josh Smith, Christopher Wool

アメリカ人アーティスト、ジョシュ・スミス(Josh Smith)とクリストファー・ウール(Christopher Wool)の作品集。本作は2人がコラボレーションした1冊であり、デジタルイメージングを活用し、1人が自分の作品からイメージを提案し、もう1人がそれに要素を付け足したり引いたりして作り変えることで1つのシリーズを共同制作した。作業は交互に行い、お互いに制約を課したりダメ出しすることなく、既にあるイメージに新しい「レイヤー」を重ね合わせていった。

ジョシュ・スミスは、ニューヨークに拠点を置くアーティスト。抽象表現主義をアプロプリエーション(応用)した漫画を思わせる絵画で近年広く評価されるようになった。そのきっかけとなったのが、セルフマーケティングへの批判として自分の名前をキャンバスに綴った作品。これに続く 「抽象画」や「パレット」シリーズでは、手作業によるインプットと機械による複写をコラージュする技量を惜しみなく発揮し、創造という概念に挑戦した。絶え間なく流れ、商品やイメージが渦巻く世界において、同じことの繰り返しから自由になることを助ける「代替的な流れ」を提示することに成功した。自分の名前や豊かな表現は主観性への回帰を示しているが、真正性とは主観性にではなく、主題と作品が常に共同で制作・修正され続ける熱狂的な探求の中にこそ求められるべきである。

クリストファー・ウールは、80年代初頭から絵画を手段として、既に最盛期を終えた絵画という芸術の境界線を探求・拡大してきた。ロバート・ゴバー(Robert Gober)、キャディ・ノーランド(Cady Noland)、リチャード・プリンス(Richard Prince)など、一緒に仕事をしたことのあるアーティストたちと同様にウールもまた、既にやりつくされた感がある絵画という分野において新しいかたちを生み出すことに貢献してきた。ウールは、音楽、映画、美術に言及しつつ、今この時代における経験とはどのようなものかを伝える。表現を最小限に抑えた「全面塗装」(絵画の表面を非差別的に処理すること)を作り出した装飾的な模様や文字からスタートしたウールは、シルクスクリーン印刷を取り入れてから、作品の密度と自由度をさらに高めていった。

by Christopher Wool , Josh Smith

REGULAR PRICE ¥19,800  (tax incl.)

softcover
168 pages
215 x 279 mm
black and white
limited edition of 1,000 copies (A.P. 300)
2007

published by MFC-MICHÈLE DIDIER