SASQUATCH CENTURY by Torbjørn Rødland

ノルウェー人フォトグラファー、トールビョルン・ロドランド(Torbjørn Rødland)の作品集。2015年1月から4月までノルウェーの「ヘニー・オンスタッド・アートセンター(Henie Onstad Kunstsenter)」で開催された展覧会に伴い刊行された。

本書では作品を豊富なイメージ群のシークエンスで紹介する。キュレーターのミレーナ・ホグスバーグ(Milena Hoegsberg)による序文、キュレーターであり美術史、美術理論、美術批評を専門に教鞭を執るリンダ・ノーデン(Linda Norden)の寄稿によるエッセイを収録。ノーデンのテキストは、序盤の写真が奏でるリズムを咀嚼し、作者の複雑な実践を解釈して再検討すべく、深い見識に満ちたレンズを読者に与える。

我々に残された問いは、与えられたイメージの内容をどう捉えるかということよりも、象徴主義やポストミレニアル世代の神話の取り組みに対する、より大きな野心に関するものである。この野心は先人たちのそれとは一線を画している。しかし、彼の写真は、少なくとも『ピクチャーズ・ジェネレーション(Pictures Generation)』以降、文化的に精通することを圧し、批評的な写真であろうとする、広告や組織政治に操られた戦略を依然として利用している。終始問われてきたのは、文化的な符号化の中で行き交うイメージがいかにして我々の瞬間を定義するフィードバック・ループのカテキズム(問答)として機能する以上に為しうるのだろうか、ということである。」– リンダ・ノーデン

本作のタイトルに用いられている「サスカッチ(SASQUATCH)」とは、歴史的に「ビッグフット」の前身とされてきた、神話に登場する北米大陸に生息するとされる毛むくじゃらの人型怪物である。サスカッチは、その存在を信じると同時に否定もすることで、神話とポップカルチャーの中で確固たる存在であり続けた。この現象は、神話と現実、身近なものと捉えどころのないもの、そして構築されたものと正真正銘の本物であることとの間にある緊張感を活性化するという、作者の関心の多くを体現している。

by Torbjørn Rødland

REGULAR PRICE ¥7,700  (tax incl.)

hardcover
150 pages
220 x 265 mm
color, black and white
2015

published by MOUSSE PUBLISHING