POEMS by Carl Andre
アメリカ人彫刻家、詩人、ミニマリストであるカール・アンドレ(Carl Andre)の作品集。スイスの「アラーハイリゲン・ミュージアム(万聖教会博物館 / Museum zu Allerheiligen)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
キュレーターで美術史家のギャビン・デラハンティ(Gavin Delahunty)が著したように、「カール・アンドレは、言葉の芸術もまた生んだ」。本書は作者の詩の作品をまとめた回顧的モノグラフとして刊行されたものである。作者は床に金属やレンガを敷き詰める作品と同じように、紙の上に言葉を並べていく。1960年代より作者が書き綴ってきたこの詩の作品群は、文字が築きあがり、言葉のブロックが組み合わされ、互いに積み重ね合うことで形となり、「彫刻的構造(sculptural configurations)」として生まれる。「コンクリート・ポエトリー(具体詩 / 視覚詩)」の慣習の中で、言葉たちは動きをもって調整されうるものとなり、新たな構成やパターン、ひいては新たな芸術作品を創り出すために、一枚の紙の上の限られたスペースの中に配置される。
「アンドレは(...)言葉を具体的な部品の集まりとして理解しており、それは彼の代表的な立体作品で用いられる金属の板、木材、あるいはレンガに似ている。」– ロブ・ウェイナー(Rob Weiner)
ギャビン・デラハンティ、美術史家のヴァレリー・マヴリドラキス(Valerie Mavridorakis)、キュレーターのリン・コスト(Lynn Kost)によるエッセイを収録。ミニマリズムが定義されつつあった1960年代の初期に現れた文脈の中で、この「著作」を位置付ける内容となっている。