イギリス人建築家、ジョン・ポーソン（John Pawson）の作品集。作者の建築物、魅力あふれる人生、クライアント、旅行、写真、デザイン、書籍、アイデアを視覚的な伝記として包括的にまとめられた一冊。長年の友人である建築史学者のディヤン・スジック（Deyan Sudjic）が本書の著者を務め、ヨークシャーで育った時代から日本での滞在、ファッションに集中した時期、アートによる影響など、作者が生きてきた道の全てを訪ね、その人生、インスピレーションと作品における思慮深くも親密な考察を収めている。

ライターでありジャーナリスト、小説家のブルース・チャトウィン（Bruce Chatwin）、ファッションデザイナーのカルバン・クライン（Calvin Klein）、カール・ラガーフェルド（Karl Lagerfeld）、インテリアデザイナーの倉俣史朗、実業家のマーサ・スチュワート（Martha Stewart）をはじめとするクライアント陣と共にした作品の逸話や、不可思議で心惹かれるエピソードも注目に値する。作者の個人的ないし専門的なアーカイブからいまだ未公開のイメージも収録し、記録、写真、エフェメラなどで豪華に彩った作者に関する至極の一冊となる作品集である。