アメリカ人フォトグラファー、マイク・ブロディー（Mike Brodie）の初作品集。本書は、貨物列車に飛び乗ってアメリカ本土を旅する「トレインホッパー」の列車上生活を記録した一冊。

17歳の時、作者はアラバマ州モビールに住む友人を訪ねようと、フロリダ州ペンサコーラの自宅近くから列車に初めて飛び乗った。ところが、その列車は作者を反対方向のフロリダ州ジャクソンビルまで連れて行った。数日後、作者は同じ電車に乗って帰り、出発地点に戻った。

そのことをきっかけとして、作者は徒歩、ヒッチハイク、トレインホッピングなど、無賃でアメリカ中を放浪するようになり、50,000マイル以上もの道程を旅した。まもなく作者は、車の座席の後ろにつっこまれたポラロイドカメラを発見し写真を撮り始めた。本書は、35mmフィルムカメラに持ち替え、20代前半であった2006年から2009年にかけて撮影した作品をまとめた一冊である。作者は何年もかけてアメリカを横断し、その体験を記録し、現在では、個人的な旅写真の最も印象的なアーカイブの一つとして評価されている。