BETWEEN by Victor Burgin

イギリス人アーティストであり作家のヴィクター・バーギン(Victor Burgin)による作品集。1986年に出版されて以来、長らく絶版となっていた本書は、初期のコンセプチュアルアート、アプロプリエーションを用いた作品、大衆メディアのイメージへの批判から、精神分析、記号論、映画研究、フェミニズムに基づいたフォト・テキストのシリーズに至るまで、作者のアーティストとしての変遷をたどっている。写真家、批評家、キュレーターのデイビッド・カンパニー(David Campany) は本作についてこう記す。

美術市場が強大な支配力を持つようになった頃に本作『BETWEEN』は出版されました。芸術はもはや抵抗や内省のための表現手段ではなくなり、イメージが全ての新自由主義的資本主義という見世物の一部になってしまいました。自己満足的なアートフェアや、アーティストがセレブとしてメディアで華々しく取り上げられ、オークションの落札価格は膨れ上がり、アートは中身のないお約束事に成り下がっていきました…。バーギンの写真は他のどのアーティストとも似ていませんが、現代の都市、家族の構造、私達を形成し変化させる存在としての言語、イメージの持つ力、政府、記憶、歴史の本質など、そのテーマやモチーフは我々の誰もが経験したことのあるものです。にも関わらず、メディアに影響されて芸術に分かりやすいメッセージ性を求めるようになったオーディエンスや批評家の一部は、『理解できない』として彼の作品に背を向けました。私の知る限りバーギンの作品は最も分かりやすい、つまり入りやすい作品の1つです。むしろそこから抜け出すことの方が難しいのです。

写真において「理論」と「実践」の区別は曖昧になっているが、本書は視覚的な作品にインタビュー、講演、書簡などのテキストの断片を織り混ぜつつ、この2つの関係性を読み解く。写真の歴史において重要な位置を占めているこの革新的な本作は30年以上もの間絶版となっていたが、今回初めて復刻版として発売された。

伝統的な美学ではなく文化理論に基づいて作品を作ってみたところ、どこに存在しているのかはっきりしない作品となりました。ギャラリーと本、ビジュアルアートと理論、イメージと物語など、2つのものの中間に位置する作品は、読者とテキストとの間に作品を提供しています。」―ヴィクター・バーギン

鋭い批判精神、喜びと遊び心、個性的でありながら我々の生きている文化とオルタナティブな文化について雄弁に語るー『Between』は、ジャン=リュック・ゴダールの最高傑作に匹敵する豊かな作品です。」―デイビッド・カンパニー

by Victor Burgin

REGULAR PRICE ¥5,500

softcover
190 pages
220 x 268 mm    
black and white
2020

published by MACK