1980年に創刊した雑誌『CAMERA AUSTRIA INTERNATIONAL』に関してまとめられた作品集。2018年11月から2019年3月にザルツブルク近代美術館で開催された展覧会「Camera Austria. Laboratory for Photography and Theory」に伴い出版された展覧会図録。創刊以来数多くの展覧会やシンポジウムを通じて写真を広めてきた『CAMERA AUSTRIA INTERNATIONAL』。本書はここから誕生した「CAMERA AUSTRIA」という団体の活動に影響を与えた芸術的および組織的決断について説明し、その歴史を辿る。世界中の写真家、学者、美術評論家からなる包括的なネットワークとして運営される「研究所」である「CAMERA AUSTRIA」は、オーストリアだけでなく世界の写真文化の形成に貢献してきた。シンポジウムで作品を展示したり、同雑誌に寄稿したりすることによって「CAMERA AUSTRIA」と関わってきたアーティストたちの見解が本書の中心となっている。また本書はオーストリアの団体「CAMERA AUSTRIA」と、1970年代半ばに独立したアーティストたちによるプロジェクトとして発足した時から現在までのその歴史とのネットワークに捧げられている。