GAIL REBHAN, ABOUT TIME by Gail Rebhan, Sally Stein

アメリカ人フォトグラファー、アーティストであるゲイル・レバン(Gail Rebhan)の作品集。本書はニューヨーク州ロチェスターで行われていた「ヴィジュアル・スタディーズ・ワークショップ(Visual Studies Workshop)」に基づいた一冊である。1980年代、初めてサリー・スタイン(Sally Stein)とレバンはそこで出会い、フェミニズムと批評的な考察と観察、とりわけ特にコミック的な一面を持つトピックに対して似た関心を共有していることに気づき、その後数十年間、親しく交流を持った。スタインは写真史で教鞭を取りつつ文章も書き、レバンもまた教職につき、さまざまな形式でのイメージ制作を続けた。当時、その視覚的なステートメントにテキストは不可欠な要素となりつつあった。「アメリカン・ユニバーシティ・ミュージアム(American University Museum)」で回顧展をしないかと提案された時、レバンはスタインをゲスト・キュレーターとして招いた。

本書は、スタインの本質を突きながらもユーモラスな解説に導かれ、家庭生活の反復行動を捉えたスナップショットを用いた初期のシリーズから、故郷であるワシントン D.C.における不平等とジェントリフィケーションにまつわるより広範な考察まで、作者のユニークでアーティスティック、そして政治的な進歩を図解している。これらを締めくくる最新シリーズでは、女性が最も恐れるようになった時間が引き起こす痕跡を自身の体の変化でどう刻まれるのか観察したものである。鋭い洞察力、探究心、そして政治性が内在する作品の中で、作者は写真が持つ静寂や沈黙を否定し、連続性や変容を肯定している。その姿勢全てが、時間そのものこそレバンの永遠のミューズであるのだと示している。

by Gail Rebhan

REGULAR PRICE ¥7,700  (tax incl.)

softcover
144 pages
225 x 254 mm
color, black and white
2023

published by MACK