モン族系アメリカ人フォトグラファー、パオ・ホア・ハー（Pao Houa Her）の作品集。本書は作者にとって初めての作品集となる。

本作は、幻想、欲望、喪失といった、故郷と所属に関する根本的なコンセプトを探求しており、無数の情報源からインスピレーションを得ている。たとえば、家族の言い伝え、アーティストのコミュニティと自己のポートレートなどがそれにあたる。人を惹きつけてしまう個人的物語は、モン族のディアスポラ・コミュニティの伝統と現代的なメタファーに根ざしている。

本作は、作者の主要なシリーズ4作をまとめた一冊である。写真にまつわる非営利団体であり本書の版元である「Aperture」と、アーティスト運営である組織兼展示スペースである「Baxter St at the Camera Club of New York」が、人権、教育、芸術、文化における不平等に立ち向かう団体や個人を支援する「7|G Foundation」との協力のもと立ち上げた、アメリカを拠点とするアーティストを支援する「Next Step Award」の2023-2024の受賞者である。表紙は最大32種類の用意されており、表と裏には同じステッカーが貼られている。