FOOTPRINTS, POEMS, AND LEAVES by Martin Wong
アメリカ人アーティスト、マーティン・ウォング(Martin Wong)の作品集。本書は、1968年に自費出版され、1966年から1968年にかけて作者が書き下ろした詩を収録した一冊。当時、発展させた独自の特徴的なカリグラフィーのスタイルで手書きされた数々の詩は、登場人物や情景、そこに漂う気分のゆらぎのように、ページをめくるたびに視覚的に浮き沈みしている。本書は、作者による初の詩集であり、骸骨の天使やその他のタブロー作の複雑なドローイングを紹介する二重カバーと、2つの詩、骨の葉のドローイングを含む折り畳みの差し込みが、ブロードシートにプリントされて収録されている。
本書に掲載している詩は、作者が「カリフォルニア大学バークレー校(The University of California, Berkeley)」を中退し、ヒッピームーブメント真っ只中のサンフランシスコを探検し始めた直後の、比較的自由な活動時期に書かれたものである。シュールレアリスム的かつ牧歌的な作者を取り巻く都会のサブカルチャーの描写から、孤独でありながら優しさを感じさせる、意気消沈し、旅疲れした伝記的な内容まで多岐にわたる。本書は、1967年の暮れから1968年初めにかけて、クィアでドラッグに溺れたハウスパーティーで逮捕されたり(ダンサーのルドルフ・ヌレエフ(Rudolf Nureyev)やマーゴット・フォンテイン(Margot Fonteyn)らとともに)、精神病院に入院したりなど、この時期の作者の波乱に満ちた人生をとらえた日記のように機能している。本書が出版される頃、作者は学位取得のため「ハンボルト州立大学(Humboldt State University)」に入学し、アーティストとしての新たな一歩を踏み出した。
多くの作品が暗い背景にあるにもかかわらず、この執筆はフォルムと言語への遊び心、作者のその後の作品全体で見られるユーモアを示唆している。本書は、その時代の産物であり、若き作者に芽生える芸術的な心を表現する、視覚的な詩の豊かなタペストリーを作り出している。