タイ人現代アーティスト、リクリット・ティラヴァーニャ（Rirkrit Tiravanija）の作品集。2019年9月から2020年3月にかけてアメリカ・メリーランド州の「グレンストーン美術館（Glenstone Museum）」で開催されたインスタレーションに伴い刊行された。

本書は、アートと生活の境界を曖昧にする、アーティスト参加型ダイニング・インスタレーションの記録である。集団で行う活動や儀式に関心を寄せる作者は、自身の創作物として、料理や会話、制作ワークショップといった要素を取り入れ、参加者へと体験を提供する。

季節を感じさせる新鮮なレシピのスープキッチン、Tシャツのシルクスクリーン・ワークショップ、建物全体で展開させる進化型グラフィティ、ニューヨークでの初個展の際の作品の再現など、来場者と対話するような企画を用意した。

編集者、キュレーター、評論家、アーティストらのテキストに加え、このプレゼンテーションに携わったスタッフによる考察、スープのレシピ、会期中に何層にも重なっていったグラフィティの写真も収録する。