WHICH ONE by Rose Wylie

イギリス人アーティスト、ローズ・ワイリー(Rose Wylie)の作品集。本書は、作者の過去6年間に制作した作品群を、絵画や紙に描いた作品など幅広く収録した包括的な一冊。序文を美術史家であるニコラス・セロータ(Nicholas Serota)が手がけ、アーティストであるジュディス・バーンスタイン(Judith Bernstein)、デヴィッド・サル(David Salle)、美術評論家のバリー・シュヴァブスキー(Barry Schwabsky)によるテキスト、キュレーターでありロンドン「Serpentine Galleries」のアーティスティック・ディレクターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)による作者へのインタビューを収録する。

ワイリーは恐れることなく最も困難な主題と真正面からぶつかり、政治、宗教、名声、愛、歴史、金、そして自然における自身の思考と疑問のすべてをキャンバスに込めている」ー「ハーパーズ・バザー(Harper’s Bazaar)」より

映画やポップカルチャー、ファッション史からインスピレーションを受け、作者はハイカルチャーと大衆文化(ローカルチャー)をマーク・メイキングという豪胆な手法を駆使することでひとつに融合させている。素材を重ね合わせたり消したりする作者特有の方法を用いることで、幻想的なコンポジションを生み出している。格式高い美学と普段着の美学、つまりフォーマルとインフォーマルの間にあるコンセプチュアルな緊張感を楽しみながら、テキストを視覚的要素として絵画の重要な細部に取り入れている。

本書は、「David Zwirner」で開催された5つの展覧会の作品をまとめたものであり、作者の最新の作品群を鮮やかに、美しいスイス装で見せている。フェミニストであり反逆的な衝動に対する省察として、バーンスタインが作者の野心的かつ遊び心あふれるエネルギーと自身との関わりを語るテキストも収録。

本書は関連展覧会として、「ヘント市立現代美術館(SMAK - Municipal Museum of Contemporary Art)」で2022年12月から2023年4月まで開催された、作者にとってベルギーでは初となる個展「Rose Wylie: picky, people, notice...,」が挙げられている。

by Rose Wylie

REGULAR PRICE ¥14,300  (tax incl.)

hardcover
218 pages
248 x 330 mm
color
2023

published by DAVID ZWIRNER BOOKS