アメリカ人フォトグラファー、ドリュー・ブラウン（Drew Brown）の作品集。この作品が世に出るまでの数年間に、作者は音楽プロデューサーやミュージシャン、エンジニアとしても活動してきた。その結果、写真や音楽を編集するプロセスが重なり合い、作品に反映され始めた。固有のロジックを持つ時計やカレンダーのような時間感覚のかわりに、一つのグリッドに忠実であることを超越したサイクルを用い、本という形の中で時間やリズム感を伝えるビートをイメージに刻ませた。最初のページから最後まで見ると作中のレイアウトが一周するようになっているため、正しい方向でイメージを見るために物理的に本を回転しなければならず、この形式に対し積極的かつ継続的に自ら関わろうとする。昼と夜、暑さと寒さ、空間の広大さと窮屈さといった両極端なものを通じ、回転させるたびに現れる新たなイメージ群に見る者を引き寄せている。