SHOWCALLER by Talia Chetrit

アメリカ人フォトグラファー、タリア・チェトリット(Talia Chetrit)の初作品集。1994年から2018年の間に制作した作品を幅広く収録。2018年初頭にKölnischer Kunstverein(ドイツ)で開催された回顧展に関連して刊行。タイトル『Showcaller』は劇場用語で "舞台監督" という意味を持ち、作品が持つ遂行的な側面や、主題と写真家、突き詰めていうならば写真家と鑑賞者の間に生じる力関係に言及している。本書に収録された最初期の作品は、作者がまだティーンエイジャーの頃に制作されたものである。作品に取り入れた主題やジャンルを挙げると、例えば家族のポートレイトや十代の友達、濃厚なセックスの写真、セルフポートレイト、殺人現場の設定で撮った写真、静物、ストリート写真などが存在し、24年間に渡って撮りためてきたイメージをばらばらに分解し巧みに混ぜ合わることで、異なるジャンルを隔てている空間をニュートラルにする。どんな主題やテクニックが使われていたとしても、作品の焦点はイメージのジャンルを規定している社会的、概念的、技術的な基本の条件を突き止めてそれを明らかにすることに置かれている。そこには、カメラが持つ物理的・歴史的な制限をコントロールし、イメージを意のままに操る可能性を解明し、写真家と被写体との間の関係を問い直したいという欲望が隅々まで染み込んでいる。

by Talia Chetrit

REGULAR PRICE ¥19,800  (tax incl.)

softcover
138 pages
290 x 220 mm
color
2019

published by MACK