203 WORKS by Trine Søndergaard
デンマーク人ヴィジュアルアーティスト、トリーネ・ゾンダーガード(Trine Søndergaard)の作品を最も包括的に網羅した作品集。15年間に及ぶ制作活動から生み出された10以上のプロジェクトを見ることができる。2020年にスウェーデンのヨーテボリ美術館と「Fabrik Books」から共同出版された本書は、作者の作品の様々な側面を厳選された203点の作品を通じて幅広く紹介する。初期の風景写真シリーズ『How to Hunt』(2005年~10年)、デンマークの邸宅のインテリアを撮った、想像をかき立てられる『Interior』(2010年)、歴史的な頭飾りをつけた少女たちの瞑想的なポートレート『Strude』(2007年~10年)、『Guldnakke』(2012年~13年)、『Hovedtøj』(2019年)、その他の重要な作品とともに初公開となる新作も収録。スカンジナビア諸国の現代写真家の中でも最も強い影響力持つ1人である作者がそのキャリアを通じて撮り続けてきた写真をまとめている。 キュレーターのヨハン・ショーストロム、デンマーク人作家プライズ・メレ、美術史家クリスティン・カーンらによるゾンダーガードの作品をテーマにした包括的で誌的な書き下ろしの文章を収録。
「トリーネ・ゾンダーガードの作品には、日常と厳粛さが等しく同居している。彼女の作品を特徴づけているのは、デビューした時からその底流にあるメランコリー、喪失感、言語を越えた精神状態としてのイメージという考え方だ。彼女独自の循環する詩的な視覚表現においては、以前の作品のモチーフやフレーズが反響し、意味のあるつながりを作り出している。ゾンダーガードのプリズムのように断片化した作品を全体として見ると、そこには個人および社会的存在としての人間の意識と記憶の状態がイメージとして提示されている。」ーキュレーター、ヨハン・ショーストロム