SHIOTANI by Anders Edström [SIGNED]
スウェーデン人フォトグラファーで映像作家のアンダース・エドストローム(Anders Edström)の作品集。京都府の北の山奥にある小さな村、塩谷村での生活を23年もの間撮影した記録がまとめられた1冊。作者は1993年に初めてこの地に訪れ、以来断続的に通っている。わずか47人の村民が米やキノコ、お茶の栽培などその土地の伝統的な生活を営む村で、作者は妻の家族に焦点を当てた。バスルームのバケツ、充電器のついた古いノートパソコン、電車の中、駐車場など、細々としたものから、その穏やかな変化、そしてこの辺境の村の生活を形成する自然の移ろいまで、一つ一つ丁寧に写し取っていった。当初は旅の記録でしかなかったが、2008年のクリスマスに妻の祖母へ15年分の写真をまとめたアルバムをプレゼントしたことから、本作は一つのプロジェクトとなった。日常生活の親密な年代記、時間の経過やそこに伴う喪失感、そして妻の祖父母の他界とコミュニティにおける死に伴う儀式。家族写真としての側面でもあり、村の人々とその土地についての痛烈な肖像画でもある。
作者と長年コラボレーションを行なってきた映画監督のC.W. ウィンター(C.W. Winter)によるエッセイを収録。2人は共同監督作品として8時間に及ぶ映像作品『仕事と日(塩谷の谷間で)』を制作し、2020年にベルリン国際映画祭「エンカウンターズ」部門最優秀賞を受賞。日本では第21回東京フィルメックス(2020年)、第14回恵比寿映像祭(2022年)で上映された。
SCREENING:
C.W.ウィンター&アンダース・エドストローム《仕事と日(塩谷の谷間で)》[特別上映]
日時:2月11日(金・祝)
時間:11:00-
開催場所:東京都写真美術館1Fホール
詳細
※本上映は終了いたしました