アメリカ・ニューイングランド出身、現在はブルックリンを拠点に活動するフォトグラファー、コール・バラシュ（Cole Barash）の作品集。本書はアイスランド本土から北へ約40kmの北極海上にあるグリムセイ島で撮られた作品をまとめた一冊。島と言うよりも巨大な岩の固まりの様な島の海岸線は、ほとんどが垂直に切り立った崖になっており、樹木は無いが地表は豊かな草と苔で覆われている。その島の住民のほとんどは漁業に従事し、作者はグリムセイ島の美しい風土とそこで生きる人々を鮮やかな色彩で切り取り、まるで作者と共にロードトリップをしたような追体験を味わえる一冊。 ダストカバーを外すと、裏にはジャーナリストでありエディターでもあるIan Frischによるグリムセイ島についてのテキストが収録され、本体表紙にはグリムセイ島の形が金箔押しされているなど、ブックデザインとしても美しい1冊。