ART VITAL: 12 YEARS OF ULAY / MARINA ABRAMOVIC by Ulay, Marina Abramović
ドイツ人アーティスト、フランク・ウーウェ・レイジーペン(Frank Uwe Laysiepen)、通称ウレイ(Ulay)と、旧ユーゴスラビア出身のパフォーマンスアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)の作品集。2025年11月から2026年5月にかけてスロベニアの「ツクラルナ・ギャラリー(Cukrarna Gallery)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
本書では、パフォーマンス・アートを代表する二人の傑出した人物像を、1976年から1988年の12年にわたる共同制作のあらゆる局面、そして二人の共有した生活とラディカルな芸術を通して追う。書簡、写真、新たに執筆された論考が、二人の倫理、親密さ、そして危うさを明らかにする。二人が作品を通して探究したテーマを概観するとともに、写真、書簡、個人的なメモ、録音、音楽リスト、書籍といったアーカイヴ資料の紹介に重点を置いて、象徴的なパートナーシップを紹介する。
展覧会では、12年間に築いた類を見ない妥協なき協働の作品と生活を、はじめて多層的に紐解かれた。1976年から1988年にかけて、二人は共に暮らし、制作した。芸術的実践を日々の生活へと切れ目なく溶け込ませながら、作者性やアイデンティティをめぐる従来の概念に問いを投げかけた。その先駆的な実践は、脆さ、強靭さ、そして相互依存を探るものであり、二人が共有した生活と創作過程の強度を映し出していた。5年間にわたり、二人は定まったスタジオも住まいも持たず、一台のバンで暮らし、旅をしながら、芸術の旅路に深く身を投じた。その協働は、持久、信頼、親密さを探るパフォーマンス「Relation in Space」(1976年)に始まり、「The Lovers: The Great Wall Walk」(1988年)として記録された、万里の長城を3か月かけて歩く広く知られたパフォーマンスによって締めくくられた。
本展では、映像、写真、ドローイング、スケッチ、書簡、日記を一堂に集め、公の場で行われたパフォーマンスと、その背後にある私的なプロセスの双方を明らかにする。二人がいかにして芸術的パートナーシップと自己表象のあり方を再定義し、作者性や芸術と生の境界をめぐる従来の概念に挑んだのかを、稀有な視点から伝える。展示はギャラリーのすべての空間とフロアに広がり、協働期の作品が、空間的につながり合う章として構成される。この物語において、とりわけスロベニア共和国の首都リュブリャナは特別な意味をもつ。ウレイが人生の最後の10年をこの街で過ごしたためである。それゆえ、二人が共に遺したものをこの場所で紹介することには、象徴的にも感情的にも大きな重みがある。本展は芸術、記憶、そして生きられた経験をひとつに結び、現代美術史において今なお響き続ける、生気に満ちた変革的な一章としてのパートナーシップに、新たな視座をもたらす。来場者は、これまで公開されることのなかった資料や作品に出会い、その実践を支えた方法や思想を知り、豊かな作品群の重要な瞬間を体験することになるだろう。
Following two outstanding figures of performance art through all the phases of their twelve-year collaboration, their shared life and radical art.
Letters, photographs, and newly commissioned essays reveal the duo's ethics, intimacy, and risk. Providing an overview of all phases of their collaboration and the themes explored in and through their work, the volume it offers a strong focus on archival material such as photographs, letters, personal notes, recordings, music lists, and books.