アメリカ出身のフォトグラファー、アーティスト、ディレクターであるジョセフ・デスラー・コスタ（Joseph Desler Costa）の作品集。

本書において作者は、欲望と視覚的な誘惑についての、旋律が目に浮かぶような叙情的な瞑想の中で、フォトブックという形態の可能性を再構築している。マスメディアと消費文化の持つ説得力に触発された作者の作品は、商業主義をその内に包み込みながら、視覚的な広告の美学がいかに現代生活の基礎をなしているかについて考察するよう見るものに問いかけてくる。

作者のイメージはこのような約束事に対する批評であり抱擁でもある。作者自身は、商品を売るためではなく、自我の概念、ノスタルジックなファンタジー、現代世界を動かしている欲望の満たされない苦痛を表現する手段として、商業写真の巧妙な視覚的修辞法をしばしば模倣している。

伝統的なフォトブックのフォーマットを否定した本書は、物理的にページを切り抜いて穴を開けることで、孤立したイメージが持つ重みとそれが見る者に及ぼす影響力を覆している。