SHE DANCES ON JACKSON by Vanessa Winship

ドキュメンタリー写真家として知られるイギリス人フォトグラファー、ヴァネッサ・ウィンシップ(Vanessa Winship)の作品集。2013年にMACKより刊行され、瞬く間に絶版となっていた本書が、2018年6月から9月にかけてバービカン・アート・ギャラリー(ロンドン)で開催される回顧展に伴いセカンドエディションとして刊行された。HCB賞(※註)を2011年に受賞した作者は、その時に得た賞金を元にカリフォルニア州からヴァージニア州、ニューメキシコ州からモンタナ州を跨ぐアメリカ横断、縦断の旅へと繰り出した。旅先で出会った人々のポートレイトやランドスケープを通じ、伝説の「アメリカン・ドリーム」の現在を追い求めた一年以上に渡る道程であった。作者は、アメリカの広大さを追い求めて記録した「風景」と「人物」との間に見える叙情的かつ生き生きとした対話や交わりを写真で魅せ、地域そのものと住民とを繋ぐものとはいかなるものか理解しようと試みた。作者にとって、この二つの関係性は切り離せないものであった。場所は、出会った人々、見たもの、自身に起きたことに基づいて固有の意味あいを生む。人との出会い、音、におい – その全てがその土地で生まれた作品に広がりを与える。また、本作には作者の進化が際立って見え、スタイルだけ見ると大判のモノクロフィルムを用いた過去の作品に似通ってはいるが、人を惹きつけ心を乱す力を持ち合わせたポートレイトを変わらず描きながら、風景においても熟達した写真家であることを存分に発揮している。作者にとって、写真とは能力の一過程であり、人生を理解するための道筋である。親密さをも感じさせるそのアプローチは、一目その作品を見るだけで作者が見つめたその世界を感じさせるだろう。

※註 写真家のプロジェクトを支援するためにアンリ・カルティエ=ブレッソン財団が設立した賞

by Vanessa Winship

REGULAR PRICE ¥19,800  (tax incl.)

hardcover
144 pages
240 x 270 mm
black and white
2013

FIRST EDITION, FIRST PRINTING

published by MACK