チェコ人ビジュアルアーティスト、イジー・ティン（Jiří Thýn）の作品集。

21世紀のチェコ写真界におけるポスト・コンセプチュアル・ウェーブにおいて最も知られるアーティストの一人である作者の初作品集。写真という媒体の物語性の探究から、瞑想的かつ即時的な創作の手段として用いる写真の追究へと徐々にシフトしていく軌跡を辿る。これまでは、既存の写真を再利用し介入することでその意味を変化させてきた。本作では、自身が撮影した写真を再生させ、循環させる。グラフィックデザイナーのアデラ・スヴォボドヴァ（Adéla Svobodová）とともに、作品の複製から選び、アレンジした。それは、過去を現代の目を通して見る非言語的な構造として在り、異なる時から集まったイメージ同士のコミュニケーションとして、以前には見られなかった衝撃的な出会いに繋がっていくのである。