RINGGUMMIMATTE by Micha Zweifel
スイス生まれ、オランダを拠点に活動するアーティスト、ミヒャ・ツヴァイフェル(Micha Zweifel)の作品集。身の回りで見つけた素材、コンセプト、モチーフなどから作品を作る作者が目に留めたのは、その用途やアイデンティティ、意味の安定性は失われていたとしても、我々がどこでどのように生活するかを形作っている文化の残骸の成れの果てというようなものである。このような「発見物」のモンタージュである本書には、作者の作品に加え、写真や最近の会話も収録されている。
アーティストで作家のサブリナ・チョウ(Sabrina Chou)、ジャーナリストのミシェル・レボスラ(Michel Rebosura)、作家で美術史家のビビアン・スカイ・レーバベルク(Vivian Sky Rehberg)、詩人のリサ・ロバートソン(Lisa Robertson)、キュレーターのエヴリン・スーター(Eveline Suter)らの文章に加え、クリストフ・ツヴァイフェル(Christoph Zweifel)と作者との間で交わされたEメールも収録。作家で編集者のマシュー・スタッドラー(Matthew Stadler)は、1つ1つのイメージに作者の蔵書から引用した文をキャプションとして付け、例えばアパートの隣人の足音のように、作品に近い言葉で文章を作り上げた。本作は、作品制作とその社会的文脈、および制作状況との間の可変的な関係性を描いている。
本書のデザインはスタジオ・クリスピン・ヒーのクリスピン・ヒー(Krispin Heé)とティム・ウェッター(Tim Wetter)が担当。2020年12月から2021年6月にルツェルン美術館で開催し、2020年にManor Kunstpreis Zentralschweiz Luzern 2020を受賞した作者の展覧会「Zur Sackgasse 4. Stock」に伴い刊行された。