AS IT WAS GIVE(N) TO ME by Stacy Kranitz

アメリカ人フォトグラファー、ステイシー・クラニッツ(Stacy Kranitz)の作品集。本作は、アメリカのアパラチア地方の自然や人々と10年間向き合ったプロジェクトを収録した一冊。

作者は、2009年から2022年にかけて、アメリカの東部に位置するアパラチア地方で写真を撮り続けた。写真というメディアがそこに住む人々の公平たる描写を提供することができなかったこの地域において、写真がいかに固定概念を定着あるいは解き放ち、記憶や歴史を解釈できるかを探求した。「アパラチアは貧困地域である」という従来の考え方を強化するのではなく、また、問題となっている固定概念を補正するために、この地域と人々のポジティブな側面を精選して取り上げるのではなく、これらの選択肢はいずれも場所の見方として同様に問題であると本作は主張している。

本作は、ある種の不公正を示し、それを改善しようとする試みではない。作者は、その代わりにアパラチアにやってきて、文化や場所に関する理解に対し、善悪の観念の狭間を彷徨いながら考察するという新しい種類の物語を切り開こうとしている。

本作の物語が展開する中で、経済的安定の源である石炭採掘からの脱却を余儀なくされた地域、地域社会に大損害を与えた鎮痛薬「オピオイド」の流行と依存、政治的に分裂した国家におけるアパラチアの役割について、親密な視座を提供している。

by Stacy Kranitz

REGULAR PRICE ¥13,750  (tax incl.)

hardcover
304 pages
229 x 292 mm
color
2022

published by TWIN PALMS PUBLISHERS