PHARMAKON by Teju Cole

アメリカ人作家、フォトグラファー、美術史家であるテジュ・コール(Teju Cole)の作品集。

あなたがまだ眠っている間に、私はこのメモを書いています。部屋の窓を開け放しても大丈夫なくらいの早朝です。あなたがこれを読む頃には、私は仕事に出かけているでしょう。言いたいことを直接伝えることもできるのに手紙を書くなんて、変に堅苦しいことをしてごめんなさい。でも、言えなかったということは、少々話しにくい内容だと考えるのが自然でしょう

作者が持つ唯一無二の感性から生まれた本作は、不安を掻き立てる繊細な一連の写真と12編の短編小説が組み合わされている。世界各地で撮影された写真は、『 Fernweh』(2020年)で展開されていた、角度を変えたものの見方の延長線上にある。イメージの間には、作者の小説『Open City』(2011年)や『Tremor』(2023年)に特徴的で絶妙な言葉の使い方をさらに掘り下げた文章が散りばめられ、我々が生きる危機の時代が発する親密な合図のように浮かび上がってくる。こうして本作は、驚きと安らぎを同時に与える奇妙に美しい作品に仕上がっているのである。

by Teju Cole

REGULAR PRICE ¥10,450  (tax incl.)

softcover
200 pages
215 x 280 mm
color
2024

published by MACK